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お腹を抑えながら起き上がると、部屋の中を見回す。
資料のたくさん入った棚に、台所のような場所、黒いソファが2つ向かい合わせに置いてあって、その間にはガラス板の机。
あ……この部屋は………。
「ここ、談話室?」
「そ」
振り返り、男に確認してみると満面の笑みで答えた。
談話室って初めてだ。ってか、この学校にそんなとこあったんだなー。
俺、見れてラッキー☆
「ってか、俺に何か用?俺、屋上に行きたいんだけど…」
「屋上なら、反対側の廊下。右側だよ」
「え?俺、右側に歩いて来て、ここにいるんだけど」
「………方向音痴?」
「…んな、まさか……」
だって、俺は右側に歩いたんだぜ?でも、屋上は反対側で……。
えーと…えーっと………。
「結論からして、この先には屋上はない、と?」
「ないよ」
「屋上は反対側だと?」
「うん」
………………………………。
俺、17年も生きてるのに自分が方向音痴なんて知らなかった。
なんかマヌケー…(´・3・)
「俺、屋上行かないと…!喜色が……」
慌てて立ち上がった俺。多分、もう喜色は屋上へ着いていると思い、焦りが出た。
それにこの匂いが―――。
「逃がさないよ」
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