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その甘い匂いが言ったかのように、突然、男に腕を掴まれた。
ぐいっと力強くソファに戻されると、ぐるんと視界が回転した。
「なんのために捕まえたと思ってるの?夢咲 捺」
ソファに座わらされた俺は、男に肩を押され、押し倒された状態にチェンジ☆
なんて、明るく言わないと気持ち悪くなる。
「なんで俺の名前、知ってんの?」
「調べちゃった☆」
「可愛くねーよ」
ペロッと舌を出す男に毒づいてやる。
可愛くない。ってか、カッコイイから似合わないんだ。
男はイケメンで、綺麗な青色の瞳に筋の通った鼻。形のいい唇がニヤリと笑う。
銀髪の髪の根本は黒くなっていて、まるで獣の毛並みのようだ。
それに比べて俺ときたら、へいへいのぼんぼんじゃん?
「俺と寝ない?」
「え~っ。俺、さっき寝てたじゃん」
「今度は気持ちいいことシよ」
「いやん、無理」
俺が即答で答えたからなのか、男は少し見開いた目で俺を見てきた。
うはー!!超、ウケるんですけどー!!
俺は男の下で思う存分、笑ってやった。
「ひぃー…おま…ぶっ…めちゃ…はは…、面白しれー…!!」
「何で?」
「だって、驚いた顔とかマヌケだしさ…!…それに、俺みたいな平凡、相手して楽しいの?」
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