炭酸と寿司

6/12
前へ
/22ページ
次へ
俺と喜色はハニーとダーリンの仲。知らぬ間に俺がハニーで喜色がダーリン。 ま、面白いから許可してるけど。 面白いこと以外のことはいらない。 「なっちゃん今、退屈でしょ」 「あら、わかっちゃーう?」 「なんか、つまんなさそー」 ここの高校入ってすぐ仲良くなって今までずっと一緒にいる喜色。俺のこと良くわかってて、いっつも気が利く。 その脳みそ真っ二つにして中身が見てみたいよ。 「屋上行きますか☆」 「でも、教室が出ちゃダメじゃーん」 「甘いよ、なっちゃん。甘すぎる。砂糖より甘いよ」 「ちょっとだけ、カッチーン」 ふふふと気持ち悪い笑いを浮かべる喜色。皆、変な目で見ないでやって。これでも親友だから、悲しいから。 でも、その笑いはすぐに消え、何を思ったのか席から立ち上がる喜色。そして、俺の左隣りにある窓を開けて風を受ける。 「何やってんだ?回転寿司」 「ハルっち、ここ2階だよね?」 「………はぁ。昼休みまでならうまくフォローしてやるよ」 「ありがじゅう」 ハルっちと話した喜色が、俺にニカッとはにかんできた。そこでようやく、ハルっちとの会話を理解する俺。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

294人が本棚に入れています
本棚に追加