炭酸と寿司

7/12
前へ
/22ページ
次へ
俺もニヤリと喜色に笑って見せると、それがどうもおかしかったのか腹を抱えて笑っていた。 机に乗せられた2つのレジ袋を手に持って、俺も席を立つ。やばい、めちゃ楽しい。 「ハニー、抱っこしてあげよっか?」 「喜色は下で抱えてくれたらいいよ」 窓際に座っていた喜色。後ろはもちろん何もない。だから、俺もいつも通り喜色を ―――――突き落とす。 それがどんな意味を表すのかは、今までこの頭のいかれた俺たちと付き合ってきたクラスメートしか知らない。 俺も喜色と同じように窓際に座り、¨下¨を見た。 「なっちゃーん!おいでー!」 喜色の運動神経にはホントびっくりする。ってか、人じゃねぇみたいだ。 喜色を例えるなら猫だ。どんな姿勢から落ちても絶対に足から着地。 身が軽いのか、こんなとこから落ちてもびくともしていない。 「えー、まぁ、授業中は教室から一歩も出ちゃいけないなんて言うけど、窓からなら一歩もクソもないから出てもいいわけですよ」 喜色が気持ち悪く笑っていた理由がわかって、俺もにやけそうになる。 「サボりたい人はどーぞ、窓から出て下さいませ―――…」 全て言い終えると同時に、俺は後ろに倒れて窓の外へと身を投げ出す。 ガサってレジ袋が音をたて、皆に別れを告げる。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

294人が本棚に入れています
本棚に追加