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俺もニヤリと喜色に笑って見せると、それがどうもおかしかったのか腹を抱えて笑っていた。
机に乗せられた2つのレジ袋を手に持って、俺も席を立つ。やばい、めちゃ楽しい。
「ハニー、抱っこしてあげよっか?」
「喜色は下で抱えてくれたらいいよ」
窓際に座っていた喜色。後ろはもちろん何もない。だから、俺もいつも通り喜色を
―――――突き落とす。
それがどんな意味を表すのかは、今までこの頭のいかれた俺たちと付き合ってきたクラスメートしか知らない。
俺も喜色と同じように窓際に座り、¨下¨を見た。
「なっちゃーん!おいでー!」
喜色の運動神経にはホントびっくりする。ってか、人じゃねぇみたいだ。
喜色を例えるなら猫だ。どんな姿勢から落ちても絶対に足から着地。
身が軽いのか、こんなとこから落ちてもびくともしていない。
「えー、まぁ、授業中は教室から一歩も出ちゃいけないなんて言うけど、窓からなら一歩もクソもないから出てもいいわけですよ」
喜色が気持ち悪く笑っていた理由がわかって、俺もにやけそうになる。
「サボりたい人はどーぞ、窓から出て下さいませ―――…」
全て言い終えると同時に、俺は後ろに倒れて窓の外へと身を投げ出す。
ガサってレジ袋が音をたて、皆に別れを告げる。
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