紫陽花

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次の日曜にもその次の日曜も、待ち合わせをしたワケでもないのに、女は初めて出会った場所に居た。 そして、同じホテルで時を過ごした。 やはり砂のような感覚は、ヒトリアソビに似ている。 そんな関係にちょっとした変化を加えたのは、俺からだった。 自分の部屋に誘ったのだ。 だが、それは親密な関係へと変化したからという理由ではない。 ただ単に、この女に金を使うのが勿体無いと思ったからだ。 それにこの女なら、壁の薄い俺の部屋でも隣に気を使う必要もない。
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