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「やばい、ヤバい、ヤバ過ぎる、どうする俺、考えろ」
走りながら思考を巡らせる燿臣が、曲がり角を曲がったその時頭の中に声が響く
《そのまま真っ直ぐ走るんだ》
「ヤバい、とうとう頭がイカレてき《てない、現実だからいいから走れ、捕まりたくないだろう》……突っ込まれた…俺が…頭ん中の声に突っ込まれた……なんかすげぇショック…」
へこみながらも声の言う事を聞く
「此処まで来れば大丈夫だろ、疲れたーチョッち休憩!」
そう言うとその場に座り込む燿臣
《気を抜くな!追っ手がお前を探しているはずだ》
「わぁーたよ、このばーろー」
注意された事にイラつきながらも気を引き締め直す燿臣はふと思う、
この声はなんで状況に合わせて的確に助言が出来るのかと
「なぁ、アンタ名前何てんだ」
《そんなの聞いて何の意味があるんだ》
「だって名前が分かればアンタに話し掛け易いだろ。
考えてみろよ、アンタに話し掛ける時アンタ、アンタって旦那に逃げられた女かよ俺」
《確かに嫌だな、清来(せいらい)私の名だ、覚えたか燿臣》
「変な名前だから一発で覚えた!
清来聞きてぇんだけど何で状況が解るんだ?俺の側に居んのか?それにアンタの声が何で俺の頭ん中に響くんだ?」
《その内分かる。今は私の言う事を聞け、燿臣お前に何か有ったら困るからな》
そんな会話で1時間もの時が経過していた。
《燿臣この先にある神社に行くんだ。行けば分かる良いな》
「神社なんか行ってどうすんだよ…ハァ…行けば良いんだろ行けば、わぁったよ……ハァ…」
溜め息を尽きながら訳も解らないまま清来に言われた通り神社に向かう………………………
少し歩いて、十字路に差し掛かった。この十字路を超え少し歩けば神社に着く、その矢先アクシデントが起こった。
《燿臣!避けろ!!》
「はぁ?」
意味が解らずに足を止めてしまう
《右を見ろ!!》
「ぬうぉ!」
燿臣が右を見ると、一台の大型トラックが交差点に猛スピードで突っ込んで来る
足が竦み動けない燿臣を見て
《間に合わん!£#※〆〇……》
清来は謎の言葉を呪文の様に唱え始める
「清来!訳わからん事言ってないでどうにかしろよ!!」
逆ギレしている燿臣を無視して謎の言葉を紡ぎ続ける清来
「えっ!ここで無視ですか!無視するんですか師匠!ぶっ飛ばすぞ!!この野郎!てか、本人居ねぇから殴れねぇ!!」
パニクって訳が解らない事を言っている燿臣
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