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8月15日
一章(終戦記念日)
古い本の匂いがしている図書室から
青い空をみていたその日、私は17才でした
8月15日の青い空ってどうしてこんなに怖いのでしょうか。
私、いつも思うんです。もしかしたら今日だけあの日に繋がっているのではないかしらって。この青い空が。
怖くて、怖く、たまらないあの戦争のあった空の下に。
でも、静かなのは戦争が終わったからなのです。平和なのも。
私は図書室の蔵書にむかい尋ねました。戦争を知らない私たちは何を知るべきなのでしょうかと。
その時、私の目に一冊の本がとまったのです。
近づきその本に手をのばした瞬間、
さわろうとしていた獅子の目があいたかのように
私は立ちすくんでいました。
その本の背表紙には
B級戦犯者の記録
と書いてあったのです。
(続く)
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