Station

１駅目 到着

目を覚ますと、誰も居なかった。

文字通り、無人だった。

私は今、電車に乗っている。

電車は、見知らぬ駅で停車したまま動かない。

ぽっかり開いた電車のドアから見える駅のホームには、電車の中同様誰も居ない。

だれもいない。

けど、おかしいのはそれだけじゃなかった。

ぐるりと見回してみたが、電車には、中吊りや広告の類が一切無いのだ。

私が居眠りしてしまう前は、中吊りや広告で五月蝿い位だったのに…。

誰も居ない駅のホーム、誰も居ない車内、広告類が一切無い車内、そして、何のアナウンスもない。

余程のローカル駅でもない限り、普通は何かしらのアナウンスがあってもいいんじゃないだろうか？

ホームの数を見る限り、駅はかなり大きなもののようだった。

そして、電車の中同様、ホームにも自動販売機や看板等の余計な物は一切無かった。

大きな駅だからこそ、余計にこの閑散とした状態が際立ち、そして、静けさを異様な物に感じさせる。