Station

１駅目 到着

寝てる間に何かが起こったのだろうか？

私は、このまま電車の中で、電車が動き出すのを待った方がいいのか、駅のホームに出て誰かを探してここがどこの駅なのか聞いた方がいいのか、迷った。

落ち着かなくてキョロキョロと辺りを見回し始めた時、不意にホームにアナウンスが響き渡った。

『１０番線、間もなく電車が発車します。お乗り遅れのないよう、ご注意下さい。』

１０番線、どこだろう？

そう思って私は他のホームも見てみたが、他にホームに停泊している電車は見当たらなかった。

どうやらこの電車が間もなく動くらしい。

この電車が出るのだと思ってホッとした。

アナウンスが終了したすぐ後、誰も居ないと思っていたホームに人影を発見した。

人、ちゃんと居たじゃん。

そう思って相手をジロジロと見ていると、相手も私に気付いた。

同じ歳頃の男の子だった。

でも、何か変な気がした。

彼はどこか、普通じゃないような感じで…。

彼はこちらに気付いた途端、表情を一変させ、物凄い勢いでこちらに走ってきた。