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「ねえ!アレ、何なの?!」
「いいから、走って!」
彼は後ろを振り返らずにそう叫んだ。
50メートル程先に階段が見える。
階段は下へと続くものだ。
恐らく彼が目指して走っているのもそこだろう。
ジリジリジリジリジリジリジリ
鳴り止まない警報音。
耳が痛くなる。
何時になったら電車のドアは閉まるんだろう?
いつまで走り続ければいいんだろう?
気が遠くなる程の長い時間を走っていたように思えた。
やっとの思いで階段の所まで辿り着く。
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