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「本当にごめんなさい!怪我は?!」
彼の傍らにしゃがみ込んで状態を確かめる。
彼はゆっくりと上体を起こすと、背中を擦った。
「背中を打っただけだよ。」
彼はそう言いながら、やはり、私と同様、階段を見上げた。
白い手が追って来ない事を確認して、彼はスッと立ち上がった。
「大丈夫?ホントに背中を打っただけ?」
何でも無さそうに立っているが、頭とか打っていたらと思うと心配だった。
「頭打ったわけじゃないし、まあ、どこか擦り剥いたかもしれないけど、平気。」
彼はそう言って、私に手を差し出し、立つように促した。
頭を打ってはいないという言葉に安心した私は、その手を取り、立ち上がった。
「とりあえず、待合室に行こう。説明するよ。」
彼はそれだけ言うと、サッサと歩きだした。
私は慌ててその後を追う。
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