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その日はとても寒い日だった。
どこかでは雪が積もったらしい。
此処でも積もればいいのにね。
そんな会話をしながら二人寄り添って学校への交通路を歩いていた。
私達はとても仲が良くて何時も一緒だった。
これからもそうだと思っていた。
そう信じて疑わなくて、二人で居る事に幼いながらに一時の幸せというものを感じていたのを覚えている。
彼は男だった。
私は女だった。
それでも私達の友情は確かだった筈なのに。
ねえ、君は覚えているかな、三学期の終業式の日のことを。
朝学校につくと私の靴箱に一通の手紙が入っていて、放課後に屋上に来てほしい、そう書いてあった。
二人して手紙を覗きこんで、誰だろうねと笑いあった。
行くの、と君は聞き、行くよと私は答えた。
そっかと笑っていた君のいつもの姿に安心して、私は気付くことができなかった。
その時君が本当はどれほどショックを受けて、どれほど悲しんでいたかを。
後になって後悔した。
あの時君の側から離れなければ、こんな事にはならなかったのに、と。
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