始まりの日

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「じゃあ、お邪魔します」 「俺の家じゃないけど、どうぞ」 そう言われて入った教室には既に沢山の人が居た。 私が適当に開いている席に座ろうとすると、先程の彼が手を引っ張った。 一体何だと視線を上げると、また笑いかけられて調子が狂う。 彼はそのまま窓ぎわの列まで進むと、その内の一つに座った。 その後ろの席が一つ空いている。 「後ろ、座ってよ。俺が後ろ向くから何か話そうよ」 「いいけど」 私は大人しく言われるがままに彼の後ろの席に腰を下ろした。 すると彼は宣言通り椅子ごと後ろを向き、嬉しそうに話しだす。
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