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「私って……
人格ってやつ?」
「…………」
突然の質問に啓太は口をつぐんだ。
よくよく見てみると、幸子の手には『連絡ノート』しかも開いている。
「私、この人達と一緒なんでしょ?私は私ではなく、香さんの中でしか生きられないんだよね。
あみちゃんもあみちゃんじゃなくてゆまちゃん……」
幸子の目にはうっすらと涙が滲む。
啓太は掛ける言葉もなく、ただ泣いている幸子から目を離せずにいた。
時計の音は一段と大きく響いた。
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