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「幸子さん……?」
まるで死体のように転がった香の体。
そう。誰も表に出ていない時の香。
お母さんの危険を察知したのか、急に泣き出すゆま。啓太はそんなゆまを抱き上げ、香の名を呼びつづけた。
「香、香!!」
しばらくすると血の気の引いたまぶたがゆっくりと開き、顔に赤みがさしてきた。
「啓太?」
なんとか泣き止んだゆまを片手に、啓太は香に手をかけた。
「何があったの?」
不安げな啓太を感じとった香もまた、不安げに聞いた。
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