6/16
前へ
/110ページ
次へ
「須藤も水泳部なんだ」 北川くんが、意外そうな顔で言った。 「そうよ、カナ、こう見えて結構速いよ!」 涼ちゃんが代わりに答える。 「辻は分かるけどさ。須藤、すごい色白いし、なんつーか、柔らかそうなイメージだから……」 「なによ、私が色黒でマッチョだって言いたい訳?」 「いやいや、そういう訳では……。や、でも、須藤の泳いでるとこ、どんなのか興味ある。見てみたい」 「ふふん、カナ、スタイルいいからね。興奮すんじゃないわよ」 私を差し置いて盛り上がるふたり。 私は顔が熱くなってしまう。 恥ずかしい……。 それと同時に、後ろめたい気持ちがあった。 本当は、泳ぎたくない……。 というか、水着を着たくない。 私は思わずスカートの上から左の太ももを押さえた。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1519人が本棚に入れています
本棚に追加