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少し後ろにずれて、神谷くんを盗み見る。
斜め後ろから見る背中。
広くて、大きくて、硬そう。
白いシャツの向こうに綺麗な筋肉と肩甲骨を思い浮かべる。
そのとき、神谷くんの背中に小さな赤いものがひっついているのに気付いた。
「あ」
「なに?」
「……てんとう虫」
神谷くんの背中に、てんとう虫が一匹、とまっていた。
白いシャツの上に、ぽつんとしがみついている。
私はそっと手を伸ばした。
てんとう虫を捕まえようと人差し指を伸ばす。
すると、気配に気付いたのか、てんとう虫は白いシャツの背中を動き回る。
指はてんとう虫を掠めて、シャツに触れる。
思ったように硬い、あたたかい感触が指先に触れた。
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