プロローグ

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なんで母さんは俺を捨てたの? 俺の事が嫌いだから? それとも俺が〝吸血鬼〟だから? 母さんに捨てられたあと俺は家から出ていった父親を探すためずっと歩き続けた。でもなかなか見つからない。 一言で言うなら、両親から見捨てられたと言う意味に等しい。 そして、ある日俺にとって運命の出会いであったのである。 その頃、俺はあるマンションの屋上から自殺を図ろうとしていたのだ。 その時、ある男が現れた。 「何をやっているんです?フフッ…もしかして君。〝吸血鬼〟ですか?」 俺は、〝吸血鬼〟と言う言葉で驚き弾かれるように男の方に振り向く。 「…良かったら、私たちの所へ来ませんか?君の仲間も居ます。…仲間と言うより、〝家族〟と言った方が正しいですかね。」 俺は家族と言う言葉で、苛立ちを覚え滅多に口にしないことを相手に八つ当たりの様に言ってしまった。 『は?何言ってんだ?俺の家族はとっくのとうに俺を捨てて消えたし、どうせあんな事を言ってまた捨てるんだろ?分かってんだよ。こんな馬鹿な奴でもそれぐらい…』 「フフッ…私達を信じて下さい。貴方を捨てる様なことは絶対にしませんよ。貴方の事は色々と調べさせて貰いました。貴方は人間と吸血鬼の間から出来た子供。そして、その理由で貴方の母親から捨てられ、今に至る。さぁ、私たちの所へ来なさい。私が、守って見せます。」 俺はそう言われ男に着いていったのであった。 同時に歯車は動き出すのである。
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