地獄の渡り綱

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"しかも可愛い。それもメリットがある" "犬なら性別問わず、誰にでも近寄りやすい…例えばお前達にも" 「そりゃそうだけど…」 あっちゃんはヒコの頭をナデナデする。 「…とにかく、貴方は私達を脱出できるようサポートしてくれるんだよね?」 マナは腕を組みながらそう問う。 "その通りだ" 「ここに迷い込んだ民間人なら全てサポートしてくれるの?」 "ああ" 「…なら、ハリネズミも助けてくれない?」 "ハリネズミ?" 「私達の友達。弱気な性格だから…きっと何処かに隠れてる…きっと助けを待ってると思う」 "隠れていては見つけ出すのは難しいな。それで助けを待つというのも矛盾している" 「そういう子なの。自己主張の下手くそな…陰気な女の子だから」 マナは冷や汗をかきながらそう告げる。 "こんな場所で隠れるとしたら建物隅か、棚の中か、瓦礫の中くらいもだな…捜査範囲が広いために難易度が高い" "だが見過ごしにはできんな。何処に隠れているか、だいたいの予想はつかないか?" 「え?」 マナとあっちゃんは互いに見合う。

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