おれの伝説～ﾋﾞｷﾞﾝｽﾞ～

き

24時間テレビでマラソンをした毒光さんから勇気をもらったおれは、パ○ンコ屋に向かっていた。
軍資金は、もちろん後期の授業で使うという名目の教科書代なのは言うまでもない。
店内はまさにカオスと化していて、旧牙狼まで満席という異様なあるさま！
おれは新北斗のシマを何度も何度もうろついて、ようやく台をゲトした。
両サイドはおばちゃんに挟まれるという、いささか不利な状況であったが、背に腹は変えられない。
程なく20kが飲まれたところで、おばちゃんの激しいボタン連打。心の中で｢2R通常なのも知らずに期待してんなや💢｣と毒づいているとすでにおれの台は650回転。トイレに行くついでにセブンイレブンで異様なスピードで暗証番号と引き出し金額を入力し、第二ラウンドに臨もうとすると、両サイドの糞ババァ共はすでに4連してるという絶望を目の当たりしたのは言うまでもない。
おれはすでに帰宅したら即、親に買い忘れた辞書があることを伝える算段をしていたが心は闇に支配されていたと言わざるを得ない。
帰り際、車の中にある、ありとあらゆるゴミを駐車場にバラマキ、親に話すためのいかにも困った深刻な顔づくりに励むのに精一杯になるのであった。