新一「灰原を引き取ろうと思う」

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11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 18:00:44.82 ID:n4y3vocI0 新一「おいおい……今まで解毒剤の試作品を何度か作ってきたのに……今更何を……」 灰原「解毒剤の試作品を作って……その試作品を飲んだあなたの様子を見て、確信したの」 灰原「完璧な解毒剤を作らない限り、完全に元の体には戻れない」 灰原「もし、あの薬の中身を分析して……完璧な解毒剤を作れなかったら……」 灰原「二人とも、永遠に元の生活には戻れない」 灰原「名探偵さん? 『カルネアデスの板』って知ってる?」 灰原「海の上に浮いた板切れ。その板切れに溺れかけた二人が掴まったら、板は沈んでしまう」 灰原「でも、一人だったら、板切れは浮き続けるの」 灰原「私は、板切れから手を放すことにしたのよ」 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 18:07:23.30 ID:n4y3vocI0 新一「ふざけんじゃねーよ・……それでいいのかよ、てめぇ!」 新一「もしかしたら……お前ならもしかしたら、完璧な解毒剤を作れたかもしれねーじゃねーか!」 灰原「もしかしたら……その時点で可能性にすがることになる」 灰原「そして、あの解毒剤のカプセルを開けずに、どちらかが飲めば……確実に一人は元の生活に戻れる」 灰原「大丈夫よ。あなたと違って、私には、大人の時代の友人なんていないもの」 灰原「家族も……すべて死んでしまったし……ね」 新一「……そうだ……お前、家はどうするんだ? この阿笠博士の家も、すぐ警察が調査に来るぞ!」 新一「黒の組織のボスの家だ……そう簡単に調査なんて終わらない!」 新一「その間、寝泊りとかどうするつもりだよ!?」 灰原「さあ……? そこら辺で行き倒れるのもありかもしれないわね」 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 18:12:43.36 ID:n4y3vocI0 新一「てめぇ、何言って……」 灰原「冗談よ。近くの孤児院で厄介になることにするわ」 新一「孤児院……」 灰原「今は児童養護施設って言ったかしら?」 新一「……辛くねぇのかよ? 黒の組織が壊滅したってのに……こんな……」 灰原「……私の選んだ道よ。何も問題ないわ」  こうして、灰原は施設へ。  俺は元の生活へ。  二人の道は、分かれた。
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