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「あっつー・・・」
そういえば今日はテレビで猛暑日とか言ってたっけ、
どうりで暑いはずだ。
なんで俺、前原皐がこんな猛暑の中、
外を出歩いているかと言うと。
つい先日・・・
高校も夏休みに入った俺は部活に入っていないから
家でダラダラと過ごしていたわけなんだが。
いきなり携帯の着信音が鳴る。
「ん、誰からだ?」
ディスプレイに移った名前を見てみる。
前原美保 俺の姉でたった一人の肉親だ。
とりあえず待たせても悪いから電話に出てみる。
「もしもし?姉ちゃん、どうしたの?」
「あ、皐あんた今夏休みでしょ?」
「え、うんそうだけど・・・」
「よかったー!あんた部活にも入ってないから暇よね、ね、そうでしょ?」
何か嫌な予感がする…
昔から姉ちゃんは俺に何か頼み事をするときに
語尾を繰り返し言う癖がある。
ということは今回もなにやら頼みの電話らしい。
「なに?姉ちゃんまた頼み事?」
「察しが早くて助かるわ~!さすが私の弟!」
あまり嬉しくない褒め言葉に
苦笑を返しつつ問いかける。
「はは…で、今回はどんな頼み事?」
「んー今回はね、私の娘達の面倒見てほしいの」
「は?」
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