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あまりにも予想外な頼みに
思わず馬鹿な返事をしてしまう。
いきなり何をいってるんだこの人は。
そう思いながらもなんとか尋ねてみる。
「えっと、それってどういう事?」
すると、姉ちゃんは淡淡と。
「まあ、詳しいことは私の家で話すことにしましょう
というわけで、明日、朝から私の家に来なさい!」
「え、ちょっと姉ちゃ「じゃあねー♪」
やられた……
恐らくあの様子じゃ
掛け直しても電話にはでないだろう。
またしても姉ちゃんの術中にはまってしまった…
思えば以前も何度か無茶な頼みはあったが
ここまで無茶なのは初めてだ。
「はあー…明日の準備するか…」
いくら悩んでも無駄と判断して明日の準備にとりかかる。
準備をしていると、一枚の写真立てが目に入った。
そこに写っているのは父さんと姉ちゃん。そして俺だ。
母さんは俺が産まれて
すぐに体調を崩してそのまま亡くなった。
だから俺は母さんのことを知らない。
だけど父さんがいつも
「母さんはなあ、
笑顔の似合う人でな、とても優しかったんだ」
と話してくれたのを覚えている。
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