姉ちゃんの頼み事

5/16
前へ
/75ページ
次へ
まあ色々あった訳だけど今は俺も高校に通っている。 そこまでいい所には行けなかったけど、 それでも姉ちゃんは褒めてくれた。 そんな姉ちゃんも今では結婚して幸せに暮らしている。 で、その相手の人、平沢慶さん。 まあ、俺の義兄さんなんだけど、 実はバツイチで二人の子持ちだった。 姉ちゃんが義兄さんと結婚するって言った時は さすがに反対した。 いくら姉ちゃんが選んだ人とはいえバツイチの子持ち、 しかも姉ちゃんよりも十歳も年上だ。 でも反対する俺に姉ちゃんはこう言った。 「確かにバツイチで子持ちで私より年上かもしれないよ。  でもね、慶さんは私の家の事情を聞いても  自然に私に接してくれた。  私が皐のことで悩んでた時も  真剣に相談に乗ってくれた。  それだけじゃないよ、  他にも色々と慶さんには助けられてきた。  だからね  私はこの人と一生を共にしたいなって思ったの」 ここまで言われて反論出来るわけがなかった。 そして俺が高校に入るのと同時に 姉ちゃん達も結婚して姉ちゃんも家を出ていった。 だから俺は今産まれ育ったこの家で一人暮らし中というわけだ。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加