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「晋助様、今年も行くんスか?江戸に」
「流石に危険でござる、毎年この時期になると決まって江戸に行ってたらいつかバレるでござるよ、晋助」
暗い宇宙を大きな船が飛んでいる
鬼兵隊
「…止めても無駄だ」
「でもいくら晋助様でも危険ッスよ!」
「………わざわざ人が多く外にでる日を毎年選ぶことはないと思うんだが」
「…この日はアイツの生まれた日だ」
「生きてるかもわからないのに…なんでそこまで…」
高杉はその言葉に対して優しく答えた
「俺が愛した女だからだ…勿論今でもだ」
そう言って高杉は部屋から出ていった
部屋に残された二人は立ち尽くしている
「やっぱり…探しに行くんスね…あの女を…」
「仕方がないでごさるな、毎年毎年この時期の晋助はそのことで頭が一杯でごさるからな」
「なんなんスか…夏目椿って女は―…」
「実際に見てみたいものでござるな、『戦場の歌姫』を―――」
「椿――…」
戦争後ずっと高杉は椿を探している
毎年1度だけ江戸に降りて自分の足で探している
「守るって…」
(誓ったんだ―――…)
高杉はしばらく窓から見える地球を眺めていた
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