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「沖田さん遅いなぁ…。お腹すいた‥」
ぐるぐるとお腹の虫が鳴り響く
お腹を擦りながら沖田さんを待った
「そんなにお腹空かせてるの?」
「沖田さん‥!それは、その…」
背後に現れた沖田さんはどうやらずっと私の様子を見ていたようでクスクスと笑いながら私に近づいてきた
恥ずかしいやらなんやらで顔に熱が集まってくる
「そんなにお腹を空かせてる澪チャンにこれをあげるよ」
「え‥これ、金平糖ですか…?」
差し出されたのは可愛らしい色をした金平糖だった
包みから一粒を手に取り、それを私の唇にチョンとのせた
「食べなよ。」
「あ、ありがとうございます…」
パクッと金平糖を口に入れると甘くてとても美味しかった
「とっても美味しいです‥。」
甘いものが大好きな私にとって空腹時のときの甘いものほど身に染みることはない
「本当美味しそうに食べるね。僕にも頂戴?」
私の様子を見ていた沖田さんは嬉しそうに微笑みながらもどこか、意地悪そうな表情をしていた
……イヤな予感とはこういうことを指し示すのだろうか
「沖田、さん‥?」
じりじりと距離を縮めていく沖田さんから逃げるように後ろに腰を引いていった
けど後ろには壁前には……
「捕まえた♪」
にっこり笑顔の沖田さんが立ちはだかっていた
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