予章 歴男の少年

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季節は夏。 というのにも関わらず、今は地球温暖化や異常気象が多発しているため、天気は梅雨並みの雨が降り注いでいた。 窓に雨の滴が弾け、滴るのを眺めながら 「今日はついてないなぁ」 なんて呟いている少年がいた。 部屋は6畳の和室で、子供とは思えないような年寄りじみた骨董品の品々が棚一面、ずらりと並べられ、床の間には『天我独尊』とでかでかと達筆にかかれた掛け軸が吊るされている。 その床の間の前に立てば不機嫌そうにピョンピョンと跳ね、癖毛ついた髪を片手でガシガシと掻く。 少年の印象は、ない。 ごく普通の日本児男子。 ただ……── 一つだけ、皆と違う印象を 持っていた。 .
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