予章 歴男の少年

3/5
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
右目が黒く、左目が赤い。 俗に『オッドアイ』と呼ばれるものの持ち主。 彼の両親は母が日本人、父はアメリカ人。 その出来た合の子が彼で、よく近所の子にからかわれていたが今は医療用の眼帯をしている為か、忘れた者は言わなくなっている。 つい先程、少年は「ついていないなぁ」と呟いていた。 右手には、その医療用の壊れた白い眼帯が強く握られている。 「学校ももう少ししたら行かないといけないのに、眼帯が壊れては隠しようが……」 一人ぶつぶつと文句垂れていると机の上に置きっぱなしにしていた携帯がバイブの振動で動くと彼は少しビックリしたのか、体を震わせた。 携帯か…と安堵の息を漏らし、机から落ちそうになった携帯を片手で拾い、開く。 待受画面は、今大人気アニメ──戦国BASARAという戦国の世を駆け抜ける武将の話で、その中のキャラクター……松永久秀に設定している。 そして、表示されたディスプレイの左端にメールマークがあり、二件来ていた。 一件は少年の友達からで、 『今日夏風邪ひいて……出校日行けねぇや。だから一人で行ってくれ!^^』 と書かれているが、最後のこの顔文字はどういうことだ? 絶対仮病だな…と確信し、もう一件のメールを開いた。 そこにかかれていたのは、 信じられないことであった。 .
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!