プロローグ

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その事実を知らない「正義の国」はその純潔の仮面の奥にある強欲の醜い笑みを浮かべながら、もっと欲を満たすためにと「悪の国」から富を搾取しようと企てた。 それは、ある「正義の国」の国会議事堂を自ら爆破し、それを「悪の国」の仕業だとでっち上げることだった。 自作自演であるため、大統領を中心とする国会議員や高官などについては、予め避難させていた。 犠牲になったのは一般職員のみ。 それでも、一般市民における「悪の国」に対する憎悪は瞬く間に広がっていった。 濡れ衣を着せられた「悪の国」。 悲劇の主人公と化した「正義の国」からあっという間に侵略されるだろうと誰しも思っていた。
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