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「仲村海斗さん、ですか?よろしくお願いします!」
伊東さんはそんな俺にペコリとお辞儀をしてきた。
「あ、こちらこそ!」
俺はそれにつられて頭を下げた。
さっきから本当に男として情けないと自分でも思う。
おそらく高校の制服であろうものを彼女は着ている。
白がベースで緑がラインや襟に使われているセーラー服のような服装。
あまりお洒落なデザインだとは思えないが、見事に伊東さんは着こなしていた。
かわいい娘が着れば何でもよく見える。
今の俺はそう断言できる。
かわいいのは勿論なんだが、彼女はおそらく高校生なんだろう。
「・・・はぁ」
なんだかな・・・・・・
俺なんかより全然しっかりしてる。
見た目は俺より年下にも見えるが、礼儀とかそう言った面じゃ明らかに俺よりしっかりしていた。
情けなさだったり、恥ずかしさから俺は頭を掻いた。
「?」
その光景を、伊東さんは理解できないように首を傾げていた。
その仕草するかわいいって感じた俺は末期だろうか?
恥ずかしさのあまり、俺は逃げるように段ボールを拾い上げた。
そのままここから退散しようと、別れの言葉を言おうとした。
「それ、ゴミですよね?」
「え?あ、うん・・・」
先手をうたれた!
俺は逃げようとしていた分、頭が真っ白になった。
今の俺、変じゃないでしょうか?
緊張のあまり震える俺だが、伊東さんは優しい笑顔を浮かべた。
「ゴミ捨て場まで案内しましょうか?」
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