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「いい感じでしょ?」
ねーちゃんはニコニコ笑いながら俺に言ってきた。
俺は海に視線を向けたまま頷いた。
内陸生まれの内陸育ちの俺にとっては海は本当に新鮮なものだった。
実際に見たこともあまりなく、修学旅行の電車の中や、テレビでくらいしかみたことがない。
そんな光景にいろいろ思うところがあったが、今目の前にしているものは非常に刺激的だった。
「さてさて・・・感動してるとこ悪いけど、後ろをご覧ください♪」
ねーちゃんは異常なくらい嬉しそうに言った。
「これ以上喜ぶ光景があるのですかな?」
「フッ、フッ、フッ!それは見てからのお楽しみだ!!」
ねーちゃんのこの自信。
いつも以上のハイテンションからして期待できそうだ。
俺はドキドキする胸を落ち着けながら振り返った。
まるで初恋のような淡い期待をもちながら。
「はいっ!私たち仲村姉弟の新居です!!」
ビシッ!と指差す方向には一軒のマンションがあった。
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