3人が本棚に入れています
本棚に追加
・・・・・・まあ立派なマンションだよ。
しかし、なんか期待したわりにはなぁ。
そこはリゾート地にある高級ホテルみたいなのじゃなくて、そこそこ立派なマンションだった。
六階建ての普通より少し小さめなマンション。
実際、田舎からしたらだいぶ立派な物なんだろう。
事実俺が以前住んでいた街では金持の家だったし。
だからこそ心配なこともあった。
「・・・ねーちゃん金大丈夫?」
俺は心底心配そうな顔で尋ねた。
一応2人で生活しているとはいえ、基本的な生活費はねーちゃんが稼いでいる。
父さんからも金は貰っているが、それはあまり使おうとしない。
ねーちゃんは俺の言葉になんとも言えない寂しそうな顔をしながら俺の頭を撫でた。
「バカ。そーいうのはガキは気にしなくていいんだよ」
以前俺が高校に行かず、働くと言ったときにもねーちゃんに言われた言葉だ。
この言葉を聞くたび、俺はねーちゃんとの距離を感じた。
それは年齢的なものだったり精神的なものだったり。
昔とは違うってひどく実感した。
最初のコメントを投稿しよう!