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3人でお棺の中の香織の顔を見せてもらう。
「なんだか眠ってるみたい。こんなに綺麗な顔してたっけ」
京子が綺麗に薄化粧された香織の顔を見つめながら呟いた。
「本当眠ってるみたいでしょう」
香織のお母さんが後ろに立っていることに気付かなかった3人は
ビクッと肩をふるわした。
「小学校4年生から仲良しで
よつばのクローバーを見つけては
葉っぱを一枚ずつ分けて持っていたのよね。
懐かしいわ」
香織の母は目頭をハンカチで押さえて声を殺して泣き出した。
「そうですね。ずっと一緒に友達でいようねって言ってたのに
香織はなんで私達に悩みを打ち明けてくれなかったんでしょう」
七海も目頭にハンカチを当てた。
「それじゃあ私達はそろそろ」
葬儀場を後にしようとすると
自分が発した言葉も聞こえないくらいに激しい雨が地面を叩きつけていた。
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