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「ん?映画のチケット?」
と私は柏木くんの手からチケットを1枚とった。
「うん、兄貴から貰ってさ。もしよかったら行かない?」
「…あ、うん。いいよ」
とチケットから柏木くんへと顔を上げた。
「…えっ、まじで?!」
「…うん、私でいいなら行こう。」
「ほんとにいいの?」と麻理が私に聞いてきて、「うん」と答えた。
「まじでー?!ありがとー!」と喜んでいる柏木くんに麻理が
「あやみに変なことしたら、あんた命ないからね。」と言うと
「…しません。」と急に真面目な顔をした柏木くんに、ぷっ、と笑ってしまった。
……
「じゃ、明後日の日曜日に…」
と柏木くんは私に言った。
「うん、日曜日にね。今日はおごってくれてありがと。」と目の前の柏木くんに言った。
「デートしてあげるんだから柏木に出させて当然よ。」
隣で麻理が言った。
「橘。こいつには、ほんと気をつけてな。」
柏木くんの後ろでひょこ、っと顔を覗かせながら青木くんが言った。
「お前ら、俺をなんだと思ってんだよ。」
柏木くんは麻理と青木くんに言うと
「「ヘンタイ。」」と麻理と青木くんが声を揃えた。
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