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「橘ー、この書類コピーお願い。」
「はい、分かりました。」
先輩から書類を受け取り、
ふと時計に目をやる。
仕事が終わるまであと15分。
早く帰って部屋片付けなきゃ。
あとダンボール3つだっけ。
そんなことを考えながらコピーをとり終わった。
「先輩。これ、置いときますね。」
「あ、さんきゅ。てか橘、一人暮らし始めたんだって?」
「あ、はい。もう二十歳だし、そろそろしっかりしないと。」
「…大丈夫なの?」
「何がです?」
「いや、おまえどんくさいし。一人暮らしとか危なそうじゃん?」
どんくさいって。
さらっと言い過ぎでしょ。
「大丈夫ですー。」
わたしは先輩を睨むようにしてそう答え、自分の机に向かった。
高校を卒業してからこの仕事に就いて2年。仕事にも慣れ二十歳を迎えた私は実家を離れ一人暮らしを始めた。
…と言ってもまだ4日。
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