気持ちに気付く

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「何なの、その格好。」 女の梨子も不審に思ったらしい。 「昨日は入学式だったし、一応ね。やっぱこの格好、落ち着くわぁ。」 いや、俺が落ち着かねえよ。あっいやらしい意味じゃねぇよ?嫌いなんだよな、その着こなし。 髪は別として、お前の全体大嫌いだ。 このタイプ、絶対無理!! 「でさ、早いって?」 「梨子んちの時計!」 仲良くもないくせに呼び捨てかよ。 「やっぱり!早いよね?親は『合ってる』って連発してるから。」 はは、言い訳かよ。 「ねえ、お腹空かない?」 「ああ、朝食ってないから空いた。」 俺はふと梨子を見た。 梨子は赤い目でこっちを見ていた。
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