そして、全てを知る

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ああ、もう。 本当に見なければ良かった。 いやいや、でも、知りたかった事でもあるし。 「何が?」 何がってそりゃあ、あ、あれだ。 ほら、頭の中に蔓延(はびこ)っている、あれ。 「お、男のぜ、ぜっ、全裸っ。」 やっぱり初めて見たものだから衝撃的過ぎて、なかなか消えてくれない。 こんなにゲンの引き締まった尻を堪能しているというのに。 うーっ、嫌だ。 嫌過ぎるっ。 あの光景を見たときの脳への破壊力が足りないんだろうか? けど、あれ以上に衝撃的な事ってあるか? 無いよな!? 「ほお、ロゼはいつ男の裸なんて見ることになったんだ?」 いつもより格段に低めの声に、顔を見上げると、目の据わったゲンが体ごとこちらを向く。 ええっ! 無理っっ! 咄嗟に顔を手で覆う。 ついでに目も閉じる。 「ゲンッ!! 見えるっ、前が見えるっ!」 「構わねぇよ。」 私が構うっ! すぐ後ろのソファーに座らされ、無理矢理両手を顔から外される。 「それより、答えろ。どういう状況下で見る事になったんだ?」 頑なに目を瞑り、黙(だんま)りを続ける私の唇に柔らかな物が押し当てられた。
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