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あれ?
これって……。
思わず目を開いた先に見えたものは、真正面からのゲンの顔。
久々のどあっぷ。
…………。
え?
ええっ?
何でだっ?
ゲンの顔を茫然と見ていると、ゲンはゆっくりと離れていった。
両手首は掴んだまま。
「で? 誰のを見たんだ?」
顔は笑っているのに目は据わったままで、優しい口調なのに有無を言わせない響きを纏(まと)っていた。
なんだかゲンが怖い。
「その、フレイヤ姉様、がっ! 子作り、見せてくれてっ!!」
「フレイヤー!? おまっ、娼館行ったのか!?」
ナーヤも後から言う分には構わないと言っていたし、頷(うなず)く……、のは止めた。
いや、だって頷いたら、ほら、全部見てしまうじゃないか。
「うん。ゲン、あそこ好きなんだよな?」
「好きってわけじゃねぇよ。」
視線を逸らし、口ごもるように否定するゲン。
あ、これは私が優位に立つチャンスかもしれない!
「でも、よく行くんだろう? フレイヤ姉様があそこは男が癒しと快楽を求めて行くのだと言っていたぞ。特に出稼ぎ男には必需品だって。」
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