そして、全てを知る

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ゲンが気まずそうにしていたから、さらに追い討ちをかけて、とりあえず目の前から退いてもらおうと画策していたのだが、ゲンは再び視線を合わせるとニヤリと笑った。 「これでも、お前を嫁にしてから行ってねぇんだ。だから、ほら、ロゼが楽しませてくんねぇ?」 言って、ゲンは私の服に手を掛け、ボタンを外していく。 「ちょっ、待てっ! ひっ、人前ではしないってっ!」 自由になった両手でゲンの胸板を押すが、やはり力では敵わない。 ゲンはまた笑う。 「どこに人が居んだよ。」 慌ててギンの座っていた方を向けば。 あれ? 居ない。 「とっくに部屋出てったぞ?」 気づかなかった。 じゃあ、さっきのキスも見られてない、よな? じゃなければ、気を失うまで鼻血を吹きたい気分だ。 「ほら、ギンの事はもう良いだろ? それより腕貸せ。服脱がせられねぇ。」 貸したつもりも無い腕からするりと服が剥ぎ取られ、床に無造作に落とされる。 「いっ、いいっ! 今日はやらないっ!」 どうしても、昨日見た光景が頭に行ったり来たりする。
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