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「……機会ってなんや?」
「大人しく待っていろ。貴様もこの部屋には這入りたくはないだろう?」
1人なんの躊躇いもなく部屋へと這入ったフィルさん。戻ってきた時には、その手に例のPCが持たれていた。その表情はどことなく嬉しそうにも見える。
「根源はここにある。だったら話は早いと言えるだろう。アチラから出向いてくれないのであれば、俺達が出向くだけだ」
「待てよっ! 俺達の目的はそのPCの回収だろ? だったらこれ以上の騒ぎは起こらないって事じゃねぇかよ。それなのに……」
言い掛けた時、コウの言葉を遮る様に――ダンッ、と轟くような音が鳴り響いた。コウの頬を掠めるように撃ち出された弾丸は、そのまま遥か後方の花瓶を破壊した。
「ああ、そうさ、俺はこう言う面白い展開を期待する男だ。だがしかし、今はそれだけではない。第二の映像が生まれないと、何故お前は言い切れる?」
言われると、悔しそうにコウは口を閉ざしてしまった。そうだ、今回はあのPCが原因になったかもしれない。でも、あのPCでなければいけない道理なんてないのだ。また恐怖は再発する。
「なあ、今回は気にいらんのやけど、俺はコイツに付いて行く事にするわ。止めんといてやってくれんかな? このままじゃあ俺だって納得できへんし」
「……」
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