~ ここはどこ? ~

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    「そんなん関係あらへんやん。胸糞悪いもん見せられて、あれが呪いの正体っちゅーことかい? 詰まらんオチやのお」     さっさと成仏させたるわ。アブスケが言った時、それに応えるように『キャッキャッ』と、どこからともなく聴こえてきた。これには聞き覚えがある。クルスとコウの表情が凍りついたのが皆にも伝わった。     『バツンッ……バツンッ……バツンッ……』     それを嘲笑うかの様に、次は駅内の証明が落ちていった。いったい何が起きたと言うのだろうか、人形は何を望んでいるのだろうか。何1つ分からないままクルス達は電車へと閉じ込められてしまった。     「ちょっと待ってよ。今のは何? 私にも解るように説明してちょうだい」     「説明など必要ない。ここで呪いが生まれた、それだけだ。そんな事より、今は暗闇に目を慣らしておけ。直ぐに出発する」     暗順応を待てと言う事なのだろうか。確かに今は暗闇でしかない。近くに居るはずの人物の影すらも判断はできなかった。近くに誰が居るのか、何があるのかも判らない恐怖は、いくら数秒であろうとも身体を縮まらせた。     「それにしても、やっぱり分からないわね」     次第に目が慣れた頃、アサミは真面目に考えていたのだろうか、その疑問を口にした。フィルは言っていた『ここで呪いが生まれた』と。だからこそアサミは腑に落ちなかったのだろう。        
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