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気が付けば辺りはもう赤く染まり始めていた。
「彩内、今何時かわかるか?」
俺が聞くと身に付けている腕時計を見ながら驚いた顔をしていた。
「はう~、もう5時前です・・・、どうしましょう」
「どうするもこうするもとにかく帰るのがいいんじゃないか?」
それが妥当なところだろうしこれ以上遅くなって彩内の両親に心配をかけてしまう。
「それもそうですね、なら鞄をってあれ?」
彩内が隣を見ながら驚いた顔をしていた。俺も見てみるとそこにはなぜか俺たちの鞄が置いてあった。
「多分唯ちゃんがおいてくれてたんだと思います」
「なるほどな、一緒に置いてある手紙は何だ?」
鞄の横には一通の手紙が、おいてあった。俺が内容をみると、
『二人分の鞄そこに置いといたから、二人とも気持ち良さそうに寝てたから起こしませんでした。じゃ、また明日ね。追伸七瀬あんた何媛華の膝の上で気持ちよさそうに寝てるのよ。罰としてちゃんと媛華を家まで送りなさいよ』
なんてことが書いてあった。
「来てたんなら起こせよ」
「多分唯ちゃん、気を利かせてくれたんだと思います。それに七瀬さんの寝顔もみれましたし、フフッ」
「彩内は変態だな」
「ふぇ?な、なんでですかぁ」
「だって俺の寝顔ずっと見てたんだろ?」
「い、いいじゃないですかぁ、だってかわいいかったんですよ」
「はは、冗談だ」
「も、もう知りません」
俺がからかっていると彩内は怒ってしまった、その怒り顔もまたかわいらしかっ
た。
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