新たな出会い

10/15
前へ
/15ページ
次へ
「まぁ俺は授業サボるわ」 「またぁ?あんたいい加減にしときなさいよ」 「勉強しなくてもわかるから退屈なだけだ」 「勉強もしないでそう言えるんだね。うらやましいなぁ」 「大丈夫だよ愛美ちゃん。愛美ちゃんは頭良いんだから」 「でも、七瀬くん程じゃないよ。りゅうも勉強しないとね」 「愛美ちゃんのために頑張るよ」 このバカップルは本間もんのバカップルだな。 「あ、あの」 彩内に話し掛けられた。こいつ、こんなに俺に話し掛けてくる奴だっけ? 「ん、どうした?」 「ななな、七瀬くんって、その、すすす、好きな人っていますかぁ…」 声が小さくなりながらも彩内は話し終えた。 「いねぇよ、生まれてこの方恋愛なんて一回もしたことねぇよ」 彩内と神田が氷付くのがわかった。なんでだ? 「じゃあ彼女いないのね?」 神田は勢いよく俺に聞いた。 「いるわけねぇ」 「海斗と同じだな」 「俺は好きな奴ぐらいいるわ」 全員が氷付いた。 「な、なんだよ。悪りいかよ」 「まぁ普通じゃない。まぁ私が気付かなかったのは不服よね」 幼なじみの神田ですら知らなかったらしい。付き合いの長い神田ですら分からなかったことが、一年のつるみの俺たちがわかるはずもないか。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加