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「まぁ俺は授業サボるわ」
「またぁ?あんたいい加減にしときなさいよ」
「勉強しなくてもわかるから退屈なだけだ」
「勉強もしないでそう言えるんだね。うらやましいなぁ」
「大丈夫だよ愛美ちゃん。愛美ちゃんは頭良いんだから」
「でも、七瀬くん程じゃないよ。りゅうも勉強しないとね」
「愛美ちゃんのために頑張るよ」
このバカップルは本間もんのバカップルだな。
「あ、あの」
彩内に話し掛けられた。こいつ、こんなに俺に話し掛けてくる奴だっけ?
「ん、どうした?」
「ななな、七瀬くんって、その、すすす、好きな人っていますかぁ…」
声が小さくなりながらも彩内は話し終えた。
「いねぇよ、生まれてこの方恋愛なんて一回もしたことねぇよ」
彩内と神田が氷付くのがわかった。なんでだ?
「じゃあ彼女いないのね?」
神田は勢いよく俺に聞いた。
「いるわけねぇ」
「海斗と同じだな」
「俺は好きな奴ぐらいいるわ」
全員が氷付いた。
「な、なんだよ。悪りいかよ」
「まぁ普通じゃない。まぁ私が気付かなかったのは不服よね」
幼なじみの神田ですら知らなかったらしい。付き合いの長い神田ですら分からなかったことが、一年のつるみの俺たちがわかるはずもないか。
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