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「あ、あっぶねぇ、楽勝の時間に家出たのになんで遅刻しそうになるんだよ」
「ま、まぁ人助け、したんだし」
「そ、そうだよ」
三人とも全力で走ったため息がきれていた。俺も体力落ちたもんだな。また走り込むかな。
朝のHRにはなんとか間に合い、遅刻は免れた。
俺は授業が始まる前に眠りについた。
「……ナ…ン………サイ」
ん?誰かいるのかな。まぁいいやこのままで。
「…ナミクン……クダサイ」
やっぱり誰か読んでる?まぁ起きてやるか。
「んぁ?」
「ひぃっ」
俺が顔をあげるとそこにはなぜか怯えた彩内がいた。
「何してんだ?」
「ごごご、ごめんなさい。わわわ、私をいじめないで」
な、何言ってんだ?
「わ、私、七瀬くんの眠りを邪魔した訳じゃないんです。ただ朝のことのお礼がまだだったんで、でも私今朝はちょっと怖くって七瀬くんいい人だって言うのに私怯えてしまって、学校に逃げてしまって、だから学校でお礼を言おうとしたら七瀬くん寝てしまっていて、でも起こさなきゃお礼できないとおもいましてぇ」
今にも泣きそうな顔でスラスラとものを言っている。てか、傍から見たらこれって俺がいじめてるように見えるかも。「だからえっとそのぉ…」
「要するに朝のことのお礼が言いたいって訳なのよ」
と誰かが割り込んできた。
「唯ちゃん」
と彩内が笑顔になりそうよんだ。
「あんた確か委員長だったっけ?」
「その呼び方やめて、私は神田 唯(かんだ ゆい)貴方のことはこの子から聞いたわ」
「俺は何もしてねぇよ」
「なぁに照れてんのよ」
「ほっとけぇ」
俺は完全に照れていた。
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