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「まぁ、そういう事だから聞いてあげてよ。ほら媛華!」
そう言って神田は彩内を前に出す。彩内はまだおろおろしている。
「俺、次サボるわ」
俺はその場から逃げ出す様に教室からでた。
「ちょっと、七瀬!待ちなさいよ」
神田がこちらに怒声を浴びせるが、俺は気にせずにその場から立ち去った。
今は丁度三限目だろうか。俺は屋上にいた。
一人になるときは、必ずくる場所だ。
「お礼言われる立場じゃねぇんだよ俺は…」
一人文句をたてる。誰が聞いている訳でもないが…
「そーんな事ねぇんじゃないか?」
「海斗か、いつからそこにいた」
「ん?一限目」
「全くおまえは…」
「蓮だって変わらねぇじゃねぇか」
ニコニコしながらそう言った。こいつは近藤 海斗(こんどう かいと)。こいつは元バスケ部のエースだったんだが、監督と合わず退部。それからは俺と同じく落ちていった。
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