6/8
前へ
/1362ページ
次へ
「ちょっとそこっ!何コソコソ話してんのよっ!」 「......!」 うわっ、とばっちり...... 梨花の恐ろしい顔にビクビクしながら、思わず隣りの吉岡くんに目を向ける。 「許してやりなよ、相澤」 吉岡くんは、なだめるように、梨花に言った。 「だって石田がっ......!」 「こんなに謝ってるんだしさ。 それに、彼女なんだから今の石田の顔見たらわかるだろ?思いっきり反省してるよ、こいつ」 「......」 恐る恐るといった感じで梨花の表情を窺っている石田くんを、唇を噛み締めた梨花が、ジッと見つめる。 「今週末にでも、またデートすればいいじゃん。そしたらまた一週間、その日を楽しみにして過ごせるだろ?」 ......さっき『初めから助けるつもりなんてない』って言ったくせに...... 吉岡くんは、ちょっぴり嘘つきで......優しい。 .
/1362ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加