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「ちょっとそこっ!何コソコソ話してんのよっ!」
「......!」
うわっ、とばっちり......
梨花の恐ろしい顔にビクビクしながら、思わず隣りの吉岡くんに目を向ける。
「許してやりなよ、相澤」
吉岡くんは、なだめるように、梨花に言った。
「だって石田がっ......!」
「こんなに謝ってるんだしさ。
それに、彼女なんだから今の石田の顔見たらわかるだろ?思いっきり反省してるよ、こいつ」
「......」
恐る恐るといった感じで梨花の表情を窺っている石田くんを、唇を噛み締めた梨花が、ジッと見つめる。
「今週末にでも、またデートすればいいじゃん。そしたらまた一週間、その日を楽しみにして過ごせるだろ?」
......さっき『初めから助けるつもりなんてない』って言ったくせに......
吉岡くんは、ちょっぴり嘘つきで......優しい。
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