2/12
前へ
/1362ページ
次へ
日曜の夜。 中間テストに向けて自宅で勉強していた私は、途中、祐ちゃんに呼び出され、タクシーで駅前に向かっていた。 珍しく、家ではなく外で飲んでいたらしい祐ちゃんから電話があったのは、今から10分程前。 「すみません、できるだけ急いでもらってもいいですか?」 大した距離でもないのに申し訳ないと思いながらも、運転手のおじさんにお願いすると、 「お姉ちゃん、待ち合わせ?」 おじさんは、にこりと笑ってスピードを上げてくれた。 日曜の夜7時過ぎの道路は、さほど混雑していなかった。 到着してすぐに、私は、駅前で一カ所しかない喫煙所に向かった。 案の定、そこには、携帯を弄りながらタバコを吸っている、祐ちゃんの姿が見える。 .
/1362ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加