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「早く降りろよ」
小銭を探し、モタモタしていた私に、祐ちゃんが苛立った声で言った。
「あっ、ごめん」
財布を手にしたまま、慌てて一度タクシーを降りる。
後に続いた祐ちゃんは、そのまま、当たり前のように、一人コンビニへと入って行った。
小銭を探すのを諦め、急いで千円札を2枚取り出す。
「......お姉ちゃんも、若いのに大変だね」
お釣りを私に手渡しながら、哀れんだ表情でそう言った運転手さんに、私は、ペコッと頭を下げ、小走りで祐ちゃんの後を追った。
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