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「どうだったの、結果」 背中から聞こえる、吉岡くんの声。 わかってるくせに...... 「まさか赤点じゃないよね?」 「ちっ、違うもんっ」 そんなに、変わらないけど...... 胸に当てたままの答案用紙を押さ付けながら、ちょっぴり口を尖らせる。 「じゃあ何点?」 「......教えない」 「......教えろよ」 「......やだ」 「......なんで」 「......言いたくない」 「......」 「......」 私は、彼に背中を向けたまま、ジッと抵抗し続けた。 .
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