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「......あの......」
振り返ると、吉岡くんは、ジロリと私を睨んでいた。
「......何点だったの」
「......」
うわ、怒ってるかも......
険しい顔をした吉岡くんの横で、思わず小さく固まる。
「早く言いなよ」
「あ、の......」
私は、胸の前の答案用紙を、クシャリと握った。
「......よ、よんじゅう......」
「......え?」
「よんじゅう......に点」
「......」
「......」
言って、しまった......
ドキドキしながら、そろりと顔を伏せる。
「......」
「......」
「......広瀬」
「......はい」
「お前......そんなにバカだったの」
「......え?」
ふと顔を上げた私の前に、なんだか残念な人を見るような目をした、吉岡くんがいた。
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